看護実習で看護学生さんや、新人看護師さんは先輩看護師に報告をすると思います。
緊張しながら報告をしたにも関わらず、「で?」「だから?」と冷たく言われたことはありませんか?
そんなお悩みが少しでも解決するように、今回はバイタルサインの報告の仕方を説明したいと思います!
患者さんのバイタルサインの報告の仕方
バイタルサインは、「体温」「脈拍」「血圧」「呼吸」が基本になりますね。
体温や脈拍の場合、運動した後や寝ている時など、変わってくるのは知っていると思います。
血圧は、年齢や性別、喫煙、飲酒、疼痛、飲食、運動、精神的興奮、体格、気温などによっても変化します。呼吸も同様で、基準値はあっても、患者さんそれぞれの正常値がありますね。
普段サチュレーションが93%の患者さんがいるとします。基準値は96〜99%(100%が出るパルスオキシメーターもあり)なのですね。あなたが測定したとき、その患者さんのサチュレーションは93%でした。これは異常と判断されるでしょうか?
ここで急いで報告に行くと、「は?」と言われることになるでしょう。
異常値か?と思ったら、焦らず、まず患者さんの訴えを聞き、観察も行います。
この場合の観察は、意識レベル、呼吸回数や呼吸状態、肺音、チアノーゼの有無、咳嗽など。患者さん側の訴えとして、呼吸困難感の有無や、もし症状があるなら、それは「いつから」「どの程度」なのかも確認してください。
体位を仰臥位から座位に変えるだけでも、サチュレーションは上昇したり、測定している指を変えるだけでも、数値が変わる場合があります。呼吸をととのえ、深呼吸したり、しばらく測定していると少しずつ上がってくることがあります。
以上のことをふまえて、明らかな異常がなかった場合、93%で経過観察で良いという判断になります。
ちなみに、アセスメントをしていても「いつも93%なので、異常はない」という報告をすると、何も考えていないと思われる可能性もあるので、アセスメントした内容も一緒に報告すると良いでしょう。
バイタルサインに異常があると思った時の報告の仕方
さて、先程の患者さんのサチュレーションが93%であり、呼吸困難感がある場合はどうでしょうか。
いつもと違うなと思うことは、とても重要になります。
異常があるかもと思った時は、他のバイタルサインと、全身症状の観察をして合わせて報告します。
この場合、サチュレーションが93%で、他のバイタルはいつもと変わらないこととします。
呼吸困難感の訴えがあるとして、
- いつから
- どのように(患者さんが話すことで良いと思います)
- どこが
- どの程度(時々?ずっと?我慢できるくらい?とても?)
というアセスメントが必要になり、他に痛いところがないか、意識レベルはどうか、喘鳴はないか、呼吸困難が起こるきっかけはなかったのか、などの情報をとり、アセスメントしていきます。
この時、食後であれば、誤嚥したかもしれませんし、薬を投与後であれば、それによる副作用かもしれません。体動後でも変動する可能性がありますので、慌てずに観察を行います。
報告例
異常がない場合
「〇〇さんのバイタルサインの報告をします。9時30分に測定しました。
体温36.8℃、脈拍70回で、血圧が126/70mmHg、SpO2 93%、呼吸回数14回/分でした。
サチュレーションは低めですが、連日の値と変わらず、呼吸困難感や喘鳴はありません。肺音もクリアで、エア入りも良好、肺音の左右差もありませんでした(指導者と確認するか、自信がなければこの時、あとで確認をお願いしてみましょう)ほか明らかな異常はみられませんでしたが、引き続き観察を行っていきます。」
看護師さんが忙しそうで報告できない時
看護師が忙しそうで、報告を切り出せない時もありますね。
異常が明らかにないとき、急がない時は、報告をする看護師が落ち着いてから報告でも良いと思います。
しかし、「これは急いで報告したほうがいいかな?」と心配な時は、
「すみません、〇〇さんの体温が37.8℃だったので報告したいのですが」と、なにを報告したいのかを先に言うと、報告を受ける看護師もわかりやすいのです。
まとめ
患者さんと話すよりも、ある意味緊張する看護師への報告。
参考にできるところがありましたら参考にしてみてください!
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